ジギタリス


















ジギタリス

Digitalis purpurea2.jpg
Digitalis purpurea


分類(APG III)












































:

植物界 Plantae
階級なし
:

被子植物 angiosperms
階級なし
:

真正双子葉類 eudicots
階級なし
:

キク類 asterids
階級なし
:

シソ類 lamiids


:

シソ目 Lamiales


:

オオバコ科 Plantaginaceae


:

ジギタリス属 Digitalis


学名

Digitalis L.

タイプ種

Digitalis purpurea L.

和名
キツネノテブクロ(狐の手袋)
英名

Digitalis(通称はFoxglove)

ジギタリス[1]とは、オオバコ科[2]ジギタリス属(キツネノテブクロ属、学名:Digitalis)の総称。狭義では、ジギタリス属の特定の種(Digitalis purpurea)を指す。




目次






  • 1 解説


  • 2 西洋に伝わる俗説


  • 3 毒性と薬効


    • 3.1 相互作用




  • 4 栽培


  • 5 下位分類


  • 6 ギャラリー


  • 7 参考文献


  • 8 出典


  • 9 外部リンク





解説


地中海沿岸を中心に中央アジアから北アフリカ、ヨーロッパに20種あまりが分布する。一・二年草、多年草のほか、低木もある。園芸用に数種が栽培されているが、一般にジギタリスとして薬用または観賞用に栽培されているのは、Digitalis purpurea種である。


学名のDigitalis(ディギターリス)はラテン語で「指」を表すdigitusに由来する。これは花の形が指サックに似ているためである。数字のdigitやコンピューター用語のデジタル



西洋に伝わる俗説


西洋では暗く寂れた場所に繁茂し不吉な植物としてのイメージがある植物とされる。いけにえの儀式が行われる夏に花を咲かせることからドルイド達に好まれると言われる。「魔女の指抜き」「血の付いた男の指」などと呼ばれていた地域もある。メーテルリンクは、「憂鬱なロケットのように空に突き出ている」と形容している。



毒性と薬効


ジギタリスには全草に猛毒があり観賞用に栽培する際には取り扱いに注意が必要である。ジギタリス中毒とも呼ばれる副作用として、不整脈や動悸などの循環器症状、嘔気・嘔吐などの消化器症状、頭痛・眩暈などの神経症状、視野が黄色く映る症状(黄視症)などがある。


ジギタリスの葉を温風乾燥したものを原料としてジギトキシン、ジゴキシン、ラナトシドCなどの強心配糖体を抽出していたが、今日では化学的に合成される。古代から切り傷や打ち身に対して薬として使われていた。1776年、英国のウィリアム・ウィザリングが強心剤としての薬効を発表[3]して以来、うっ血性心不全の特効薬としても使用されている。以前は日本薬局方にDigitalis purpurea を基原とする生薬が「ジギタリス」「ジギタリス末」として医薬品各条に収載されていたが、第14改正日本薬局方第二追補(2005年1月)でともに削除された。


ゴッホが「ひまわり (絵画)」などで鮮やかな黄色を表現したのは、ジギタリス薬剤の服用による副作用だったのではないかという説もある[4]。晩年の作品「医師ガシェの肖像」にはジギタリスが描かれている。



相互作用


カルシウム拮抗剤との薬物相互作用が報告されている[5]



栽培


花の形がユニークで美しいので、花壇用に栽培されている。5月から6月に播くと、ほぼ一年後に開花する。タネはかなり細かいので、浅い鉢に播き、受け皿で吸水させて発芽させる。水はけのよい土地を好むが、高温多湿にやや弱く、日本の暖地では栽培しにくい。



下位分類




  • Digitalis canariensis L.


  • Digitalis cariensis Boiss. ex Jaub. & Spach


  • Digitalis ciliata Trautv.


  • Digitalis davisiana Heywood


  • Digitalis dubia Barb.Rodr.


  • Digitalis ferruginea L.


  • Digitalis grandiflora Mill. オオバナジギタリス


  • Digitalis isabelliana (Webb) Linding.


  • Digitalis laevigata Waldst. & Kit.


  • Digitalis lanata Ehrh. ケジギタリス


  • Digitalis leucophaea Sm.


  • Digitalis lutea L. キバナジギタリス


  • Digitalis mariana Boiss.


  • Digitalis micrantha Roth ex Schweigg.


  • Digitalis obscura L.


  • Digitalis parviflora Jacq.


  • Digitalis purpurea L. ジギタリス


ジギタリスは別名をキツネノテブクロ(英名のfoxgloveの直訳である)という。ヨーロッパ原産であるが、観賞用あるいは薬用に世界中で栽培される。高さ1メートル前後で分枝しない。種小名のpurpureaは「紫」の意味であるが、白やピンクの花色の園芸品種もある。



  • Digitalis sceptrum L.f.


  • Digitalis thapsi L.


  • Digitalis trojana Ivanina


  • Digitalis viridiflora Lindl.





ギャラリー




参考文献



  • A・レウィントン「暮らしを支える植物の事典」(八坂書房)

  • アリス・M・コーツ「花の西洋史事典」(八坂書房)


  • 自然毒のリスクプロファイル:高等植物:ジギタリス 厚生労働省



出典


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  1. ^ 実芰答利私、実芰答利斯などの漢字が当てられることがある。尚、中国名は毛地黄


  2. ^ 従来の分類法新エングラー体系ではゴマノハグサ科に分類されている


  3. ^ 木下武司 「強心薬ジギタリスのお話」 帝京大学薬学部附属薬用植物園


  4. ^ ダウンシーとラーション著、柴田譲治訳『世界毒草百科図鑑』55ページ(2018年、原書房刊)


  5. ^ ジギタリスとCa拮抗薬の薬物相互作用 臨床薬理 Vol.24(1993) No.1 P237 - 238




外部リンク







  • 日本薬局方 (PDF)”. 2012年8月16日閲覧。

  • “中毒事例報告のある有毒植物-ジギタリス”. 東京都福祉保健局. 2012年8月16日閲覧。








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