国内総生産








国別GDP(2005年) 上段がMERベース、下段がPPPベース。名目ベースでは先進国の値が高く、PPPベースではインドや中華人民共和国などの新興国やアフリカなどの発展途上国の値が高く表示されやすいことが読み取れる。


国内総生産(こくないそうせいさん、英:Gross Domestic Product、GDP)は、一定期間内に国内で産み出された付加価値の総額のことである。




目次






  • 1 概要


  • 2 経済モデル、国内総生産の定義、および性質


    • 2.1 経済モデルと国内総生産の定義


    • 2.2 三面等価の原理


      • 2.2.1 生産額による定義


      • 2.2.2 分配による定義






  • 3 関連概念


    • 3.1 実質国内総生産


    • 3.2 一人当たり国内総生産


    • 3.3 国内総生産デフレーター


    • 3.4 国民総生産と国内総生産の違い


    • 3.5 国内純生産


    • 3.6 グリーンGDP


    • 3.7 国民純福祉


    • 3.8 域内総生産




  • 4 日本


  • 5 各国の名目国内総生産順リスト


  • 6 国内総生産の問題点


  • 7 脚注


  • 8 関連項目


  • 9 外部リンク





概要


国内総生産は「ストック」に対する「フロー」をあらわす指標であり、経済を総合的に把握する統計である国民経済計算の中の一指標で、GDPの伸び率が経済成長率に値する(経済学用語のフロー、ストックはフローとストックを参照)。


原則として国内総生産には市場で取引された財やサービスの生産のみが計上される。市場で取引されない活動は、GDPには含まれない[1]。このため、家事労働やボランティア活動などは国内総生産には計上されない。この点は、国民総生産でも同じである。こうした取り扱いの例外として、持ち家の家賃など帰属計算が行われるものがある(国民経済計算の帰属家賃の説明を参照)。また、今期新たに生産されたのでない財(例:古美術品)の取引、最終財の原材料となる中間財の取引は算入されない。地下経済なども計上されないことが一般的であったが、2014年以降、EU圏内では麻薬取引や売春サービスも計上し始めている[2]


国連統計委員会が勧告を出し、統計設計、財の概念の設定などは勧告に沿って行われる。直近の勧告としては、68SNA、93SNA、2008SNAがある。


日本の国内総生産は、内閣府(2001年の省庁再編以前は経済企画庁)が推計し、速報値や改定値として発表しているが、その詳細な計算方法については他国同様公開されていない。



経済モデル、国内総生産の定義、および性質



経済モデルと国内総生産の定義


国内総生産を定義するために、実際の経済を単純化したモデルを与える[3] 。なお、ここで説明するGDPは名目GDPと呼ばれるもので、後述の実質GDPとは異なる。


国内には家計企業政府の三種類の経済部門があり、それとは別に外国という経済部門がある。


また財・サービスの市場要素市場金融市場の三種類の市場がある。


企業が自身の(中間ないし最終)財・サービスを作るために別の企業から買い取る財・サービスを中間財・サービスといい、それ以外の財・サービスを最終財・サービスという。


財・サービスの市場は企業および外国が自身の最終財・サービスを売るための市場で、各経済部門はこの市場から財・サービスを買い取る。


一定期間に家計、企業、政府、および外国が財・サービス市場から最終財・サービスを買い取ったときに支払った金額をそれぞれ消費支出投資支出政府支出輸入という。


また、一定期間に企業が財・サービスの市場で自身の最終財・サービスを売り、その対価として得た金の総額を国内総生産(GDP)と呼び、外国が財・サービスの市場で自身の最終財・サービスを売り、その対価として金を得ることを輸出と呼ぶ。


以上の定義でわかるように、国内総生産には企業が中間財・サービスを売ることで得た金は含まれない。中間財・サービスは、別の(中間ないし最終)財・サービスを作るための要素として使われるので、「二重カウント」を避けるため、中間財・サービスを含まない。


要素市場および金融市場は国内総生産を定義する際直接的には使用しないが、モデルの全体像を捕らえ易くするため、説明する。要素市場は企業が労働、土地、資本(=機械や建物)、および人的資本といった生産要素を家計から購入するための市場で、生産要素に対する対価として賃金、利潤、利子、賃貸料などの形で企業から家計に金が流れ込む。


最後に金融市場は銀行取引、株式市場、および債券市場などの総称で、金融市場には家計から民間貯蓄が流れ込み、外国からは外国貸付株式購入により金が流れ込む。


企業は企業による借入株式発行により、金融市場から資金を調達し、政府は政府借入により金融市場から資金を調達する。
そして外国は外国借入株式売却により金融市場から資金を調達する。



三面等価の原理



上では、企業が財・サービスの市場で自身の最終財・サービスを売り、その対価として得た金の総額として国内総生産を定義した。この定義を支出による定義と呼ぶ。


GDPにはこの他に生産額による定義、分配による定義があり、これら3つの定義は全て同値となる(三面等価の原理)。



生産額による定義


国内で一定期間(たとえば一年間)に生産された全ての最終財・サービスの総額として国内総生産を定義する。


企業によって生産された最終財・サービスは、誰かが自身のお金を支出して買い取るか、あるいは生産した企業が在庫として抱え込む。在庫は「将来売るための商品」であるから、企業の将来への投資支出の一種とみなせる。従って生産された最終財・サービスは最終的に誰かの支出となる。よって生産額による定義は支出による定義と一致する。


財・サービスXに対し、Xの売上額からXを作るのに使った中間財・サービスの値段を引いたものをXの付加価値という。国内総生産の定義より明らかに、国内総生産は(中間または最終)財・サービスの付加価値の合計に等しい。



分配による定義


企業は財・サービスを売ることで、その付加価値分だけの儲けを得る。企業の得た儲けの一部は、賃金、利子、賃貸料、および税金として家計や政府の利潤となり、残りは企業の利潤となる(そして利潤の一部は株主への配当となる)。従って国内総生産は家計、政府、および企業へと分配された利潤の総和としても定義出来る。


先進国の傾向としては、国内総生産の3分の2が労働者の取り分となり、3分の1が地主・株主などの資本家の取り分となる[4]。経済学者の飯田泰之は「付加価値に占める賃金の割合は、3分の2くらいが妥当である」と指摘している[5]


分配面から見た国内総生産

  • 国内総生産=雇用者報酬+(営業余剰・混合所得)+固定資本減耗+(生産・輸入品に課される税-補助金)

支出面から見た国内総生産

  • 国内総支出生産=民間国内総生産 = 消費支出 + 投資支出 + 政府支出 + 経常収支(輸出 − 輸入) ( Y = C + I + G + (X − M) )


関連概念



実質国内総生産


以上で説明した国内総生産(名目GDP)は、経済状況のみならず、インフレによる価格変動によっても変化してしまう。そこで価格変動の影響を排除した国内総生産も定義されており、これを実質GDPと呼ぶ。


価格変動の影響を排除するため、実質GDPではある年(例えば2001年)を基準年として定め、基準年における最終財・サービスの価格を使って現在の国内総生産を計算する。


厳密には以下の通りである。最終財・サービスiの基準年における価格がPiで、今年の価格がQiとする。またiは今年Xi個売れたとする。


このとき、今年の実質GDPは


実質GDP = Σi PiXi


により定義される。ここで和Σiは全ての最終財・サービスを渡る。


一方今年の名目GDPは


名目GDP = Σi QiXi


である。


以上で述べた実質GDPの値は、基準年の選び方に依存してしまう。従って現在では基準年の選び方の影響を排除するために、「連鎖」という方法で補正した定義を用いて実質GDPを計算している。


GDPの変化(経済成長率)に関しては経済成長を参照



一人当たり国内総生産


国内総生産をその国の人口で割った値を一人当たりGDPと呼ぶ。
国ごとに人口が違うので、国ごとの経済状況を比較するには、通常の国内総生産ではなく一人当たり国内総生産を使う必要がある。国内総生産には名目と実質があるため、一人当たりGDPも一人当たり名目国内総生産と一人当たり実質GDPがある。


現在の国別一人当たりGDPについては国の国内総生産順リスト (一人当り為替レート)を参照



国内総生産デフレーター



名目GDPを実質GDPで割ったものをGDPデフレーターと呼ぶ。
名目GDPと実質GDPはそれぞれインフレの調整を行っていないGDPと行ったGDPであるから、その比にあたるGDPデフレーターは、インフレの程度を表す物価指数であるのだと解釈できる。
従ってGDPデフレーターの増加率がプラスであればインフレーション、マイナスであればデフレーションとみなせる。




1995年からの日本のGDPデフレーター前年同四半期増加率(%)。内閣府の四半期別GDP速報より作成。


GDPデフレーターが消費者物価指数や企業物価指数など他の物価指数と著しく異なる点は、GDPデフレーターは輸入物価の上昇による影響を控除した「国内」の物価水準を表しているという点である。このため、原油価格の上昇など輸入物価が上昇して国内のガソリン価格が上昇するというような場合には、消費者物価指数や企業物価指数が上昇しているにもかかわらず、GDPデフレーターが下落をするということがしばしば起こる。


このため1990年代末から2000年代初頭にかけて、日本経済で物価の下落が続くデフレーションが続いているのかどうかを判断する際に、GDPデフレーターを使うことが適切であるかどうかについては見解が分かれた。下落が続いていた消費者物価指数は、2005年初めから下落幅が縮小し、その年の10月には前年同月比がゼロとなって、11月以降は上昇が続いた。このことには原油価格の上昇による影響がかなりあったため、GDPデフレーターは前年比で1%以上の下落が続いていた。量的緩和政策の解除時期を巡って、緩和策の継続を望む政府と早期解除を望む日本銀行の間で議論が起こり、政府はGDPデフレーターがデフレであるとして量的緩和政策の解除に対しては慎重な姿勢をみせた。しかし、現実に上昇している消費者物価と企業物価を無視し、GDPデフレーターのみによって、「物価は上昇しているがインフレでない」と主張することはきわめて詭弁的である。GDPデフレーターはあくまで名目GDPを実質GDPで割った数値にすぎず、現実の物価が上がっていることを否定できるものでない。


なお、2006年4月現在、日本のGDPデフレーターはパーシェ型の連鎖指数で、実質GDPはラスパイレス型の連鎖指数であり、米国の実質GDPはフィッシャー型の連鎖指数が採用されている(パーシェ、ラスパイレス、フィッシャーおよび連鎖指数の説明については、指数を参照)。



国民総生産と国内総生産の違い


「国の実体経済」を表す指標として、2000年現在は国内総生産(GDP)が重視されている[6]。国の経済の規模・成長を測るものさしとして、1980年代頃までは国民総生産(GNP)がよく用いられたが、これは外国に住む国民の生産量も含む一方で、国内で経済活動をする外国人の生産量は含まないという点が、時代が下るにつれて進展していった経済のグローバリゼーションに伴い、国家を単位とする経済指標としては実態に即さなくなったと考えられるためである。


実質GNPと実質GDPとの差は小さく、同じ傾向を示す[7]。GNPとGDPは、日本の場合はほとんど同額で、若干GNPの方が多い。これは「外国での国内居住者の生産」が外国で運用されている日本資本の受け取る金利・配当も含むからである。日本は対外債権国なので、海外へ支払う金利・配当よりも海外から受け取る金利・配当の方が多い。このため日本ではGNPの方が多くなる。一方で、中南米諸国などの対外重債務国は、外国へ支払う金利が多いため、GNPよりもGDPが多い。このように、対外的な債権債務の国民総生産(あるいは国内総生産)に対する割合が高い国にとって、GNPとGDPの違いは重要である。


国内総生産を推計する体系を国民経済計算(体系)と呼ぶように、国民概念がもともと利用されてきたが、国内の経済活動状況を判断する基準としては国内総生産を使用することが一般的となり、日本でも1993年から国民総生産に替わって国内総生産を使用するようになっている。


実際の統計では、国民であるかどうかの区別は、国籍ではなく国内居住者であるかどうかによって判断されている。従って、日本国籍を有していても国外に2年以上滞在している海外居住者が行う生産活動は、日本の国民総生産には反映されない。逆に、外国籍を有する人々の生産活動であっても日本に6カ月以上滞在している居住者であれば、日本の国民総生産に計上される[8]。日本の国内総生産には含まれないが国民総生産に計上される海外での生産活動の例としては、日本に居住している歌手が海外公演を行って得た出演料があげられる。



国内純生産


国内純生産(NDP: Net Domestic Product)は、国内総生産から固定資本の減耗分を差し引いたものである。しかし経済全体での固定資本の減耗分は測定しづらく、このため経済学者達は減耗の推定をあまり信用していない[9]



グリーンGDP


グリーンGDPとは、従来のGDPから環境破壊による生活の質低下を引いたもの[10]
基本的な概念は「自然界の様々な要素を、何らかの基準で数値化し、価値ある資源として計上する」というものである。多くの場合、人類の経済活動は環境に悪影響を及ぼしているので、GDPに相応の減少分が発生する。これは生産活動によって減価償却が行われるのと似ている。


一定期間内に一国内で発生した付加価値の総量のことをGDPといい、この数値が増加すれば経済は発展していると見なされるが、これはつまり、「より多くの付加価値が生産されれば、それだけ経済は成長している」と考えているということである。


しかし、この考え方には欠点もある。例えば、森林開発が行われると木材・パルプ生産や住宅建設などがGDPを押し上げるが、土壌流出など環境破壊が起こっても、GDPには何の影響もない。このような矛盾に対して、1980年代後半から環境問題に対する取り組みが強化されたことで、現行のGDPの算出方式を変えようという声が出始めた。そこで代わりにグリーンGDPが考え出される。


1993年には国連統計部が独自の基準を策定したが、世界的にはばらばらの基準を用いているのが現状である。つまり、定評のある金銭換算の計測方法は未だにない。



国民純福祉


国民純福祉(NNW)とは、GDPから公害や軍事費などの社会的に望ましくない価値を差し引き、家事労働やボランティア活動など値段で示されない価値を金銭換算して加えたもの[1]。ただし、定評のある金銭換算の計測方法は未だにない。



域内総生産


国内総生産が一国内において生産された付加価値額を表すのに対し、域内総生産 (Gross Regional Product) は都市圏や経済圏、州や県など、一定の地域内で生産された付加価値額を表す。域内総生産には中央政府が行う生産が含まれない場合もあり、全国の域内総生産を合計しても、必ず国内総生産と一致するとは限らない(日本の経済産業省が公表している地域間産業連関表のように、不整合を項目として設ける等の調整を行わない限り、全国計と一致することの方が珍しい。また、特性上、域内総生産=<国内総生産となる。そのため、中華人民共和国の各省の域内総生産を合計すると、国内総生産よりも大きな値となるのは、各省の地方政府が数値を誤魔化しているためと考えられる。)。


都市圏同士の比較や地域経済間比較といった各種分析で使用される他、国土の広大なロシアの統計でよく用いられる。



日本




日本の実質GDPの推移。青が1990年基準、赤が2000年基準によるグラフである。




日本の実質GDP増加率の推移。青が1990年基準、赤が2000年基準によるグラフである。


円建てでの日本の国内総生産(実質GDPと名目GDP、GDPデフレーター増加率)の経年変化[11]


1990年代以降の約20年間は、円建てでの国内総生産の平均名目成長率は年率マイナス0.7%程度、平均実質成長率は年率0.6%程度、平均インフレ率は年率マイナス1.3%程度になった[12]。名目GDPは1997年に記録した536兆円をピークとし、2010年には1997年より63兆円少ない473兆円にまで低下した[12]


1997年4月に実施した消費税増税の影響で第二四半期の成長率は2.9%のマイナス成長に陥った[13]。これは過去23年間で最悪の数字であった。その後名目GDPは低迷を続けた。


日本は2012年現在毎年1%前後のデフレが続いているため仮に実質成長率が1%あっても差し引きで名目GDP成長率はゼロとなる(実質成長率1%+インフレ率-1%=名目GDP成長率0%)[14]


US$建てにしたGDPでは、円では無くてUS$で給料を受け取っている人は日本には稀有なので他国のGDPと正確に比較することは出来ない。ただし、ユーロのような共通通貨を使っているEU加盟国同士では為替による変動が無いため実体を反映した比較ができる。例えば、日本で前年より経済成長したため、円建てのGDPが増加していても、前年より円安の時は同じ額をUSドル建てにしたGDPでは伸びるどころか逆に減少しているようにみえることが多い。一方、円建てのGDPが減少又は低迷している不景気でさえ、前年より円高だとUS$建てのGDPだと前年より増加していることが多い。日本のGDPを約500兆円だと仮定して1US$= 80円の円高に日本のGDPをUS$建てで換算すると約6兆US$になり、1US$=120円の円安でなら約4兆US$となり、円建てでのGDPが同じ額にも関わらず減少しているような統計結果になってしまう。実際に2015年に国民1人当たり名目GDPはドルに換算した「ドル建て」では「減少」しているが、円建てベースでは1994年以降最高で前年比3.4%程増加している[15][16]。一方で、円安はUSドルベースでのGDPにおいてはマイナス要因となるが、円安は輸出を促進するため、輸出増加分がGDPに反映される頃にはプラス要因となる。このように、ドルベースのGDPは為替の影響を大きく受ける。そのため、USドルベースのGDPは日本と日本以外の国のGDPを比較するときに主に用いられ、日本国内の経済成長の推移を解析する上では、日本円ベースのGDPが主に用いられる。













1954年 - 1980年
1980年 - 1993年
1994年 - 2016年




































































































































































暦年 名目GDP 実質GDP GDPデフレーター対前年増加率(%)
1954年
8,369.5 47,075.0
1955年
9,422.2 50,602.7 4.7
1956年
10,858.3 54,557.8 6.9
1957年
11,538.3 57,946.9 0.0
1958年
13,190.3 63,402.7 4.5
1959年
16,009.7 71,683.1 7.4
1960年
19,336.5 80,179.8 8.0
1961年
21,942.7 87,072.6 4.5
1962年
25,113.2 94,724.0 5.2
1963年
29,541.3 105,319.5 5.8
1964年
32,866.0 111,294.3 5.3
1965年
38,170.0 122,700.2 5.3
1966年
44,730.5 136,300.2 5.5
1967年
52,974.9 152,532.1 5.8
1968年
62,228.9 170,764.5 4.9
1969年
73,344.9 188,323.1 6.9
1970年
80,701.3 196,588.9 5.4
1971年
92,394.4 213,129.0 5.6
1972年
112,498.1 230,248.8 12.7
1973年
134,243.8 227,427.7 20.8
1974年
148,327.1 234,458.7 7.2
1975年
166,573.3 243,778.5 8.0
1976年
185,622.0 254,481.2 6.7
1977年
204,404.1 267,897.5 4.6
1978年
221,546.6 282,588.9 2.8
1979年
240,175.9 290,551.1 5.4





























































































暦年 名目GDP 実質GDP GDPデフレーター対前年増加率(%)
1980年
242,838.7 284,375.0
1981年
261,068.2 296,252.9 3.2
1982年
274,086.6 306,256.2 1.6
1983年
285,058.3 315,629.9 0.9
1984年
302,974.9 329,719.3 1.7
1985年
319,401.9 350,601.6 1.0
1986年
340,559.5 360,527.4 1.8
1987年
354,170.2 375,335.8 1.1
1988年
387,742.9 402,159.9 0.3
1989年
420,122.2 423,756.5 2.2
1990年
454,781.0 447,369.9 2.3
1991年
481,421.8 468,242.0 2.6
1992年
493,782.8 477,027.9 1.6
1993年
496,711.8 478,825.1 0.4



















































































































































暦年 名目GDP 実質GDP GDPデフレーター対前年増加率(%)
1994年
507,743.4 490,779.9 0.1
1995年
516,706.9 501,537.7 1.7
1996年
532,934.8 520,715.8 2.6
1997年
550,698.3 537,289.4 3.6
1998年
550,438.6 534,142.5 0.0
1999年
508,903.2 494,957.2 -5.3
2000年
509,860.0 491,408.5 -1.2
2001年
505,543.2 489,501.1 -1.2
2002年
499,147.0 487,914.9 -1.6
2003年
498,854.8 485,968.3 -1.7
2004年
503,725.3 490,440.7 -1.4
2005年
503,903.0 488,921.0 -1.3
2006年
505,687.0 492,451.9 -1.1
2007年
506,975.2 495,685.8 -0.9
2008年
497,209.3 493,230.9 -1.3
2009年
464,138.7 480,588.4 -3.5
2010年
473,384.4 489,364.6 -2.2
2011年
460,623.2 478,439.9 -1.9
2012年
474,403.6 492,547.2 -0.9
2013年
503,175.5 508,781.4
2014年
513,698.0 510,489.2
2015年
530,465.7 516,635.6
2016年
537,289.4 521,794.3



  • 統計のGDPは円建てであり、単位は10億円

  • 1954 - 1980年は、「平成10年度国民経済計算」(平成2年基準・68SNA)による。実質値は1990(平成2)暦年基準。1980年は連続性のために示した。

  • 1980年 - 1993年 は、2000(平成12)暦年連鎖価格

  • 1994年 - 2012年 は、2005(平成17)暦年連鎖価格

  • 2008年以降については、計数の改定が行われる可能性がある。





各国の名目国内総生産順リスト


アメリカ合衆国ドル(US$)建ての名目国内総生産における上位10か国[17]


  • 単位は10億US$























































































































順位
2017年(推定値)
2007年
1997年
1987年
1

アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
19,362.13

アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
14,477.63

アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
8,608.53

アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
4,870.23
2

中華人民共和国の旗 中華人民共和国
11,937.56

日本の旗 日本
4,515.26

日本の旗 日本
4,415.72

日本の旗 日本
2,495.96
3

日本の旗 日本
4,884.49

中華人民共和国の旗 中華人民共和国
3,571.45

ドイツの旗 ドイツ
2,221.74

西ドイツの旗 西ドイツ
1,170.62
4

ドイツの旗 ドイツ
3,651.87

ドイツの旗 ドイツ
3,444.72

イギリスの旗 イギリス
1,537.56

フランスの旗 フランス
939.45
5

フランスの旗 フランス
2,574.81

イギリスの旗 イギリス
3,064.35

フランスの旗 フランス
1,462.61

イタリアの旗 イタリア
815.84
6

イギリスの旗 イギリス
2,565.05

フランスの旗 フランス
2,666.81

イタリアの旗 イタリア
1,240.58

イギリスの旗 イギリス
807.38
7

インドの旗 インド
2,439.01

イタリアの旗 イタリア
2,206.11

中華人民共和国の旗 中華人民共和国
965.32

ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦
532.61
8

ブラジルの旗 ブラジル
2,080.92

スペインの旗 スペイン
1,481.39

ブラジルの旗 ブラジル
883.53

カナダの旗 カナダ
431.33
9

イタリアの旗 イタリア
1,921.14

カナダの旗 カナダ
1,464.98

カナダの旗 カナダ
652.83

中華人民共和国の旗 中華人民共和国
330.30
10

カナダの旗 カナダ
1,640.39

ブラジルの旗 ブラジル
1,397.11

スペインの旗 スペイン
587.97

スペインの旗 スペイン
317.60


国内総生産の問題点


国内総生産は各国の経済力を示す一番重要な指標であるが、計算方法を公開していない推計値であると山内竜介[18]はしている。日本の国内総生産を公表する内閣府は非公開の理由を、「国家機密に当たる」としていると山内竜介は主張する。また、山内竜介によれば計算数式は毎年改良されるので、どれほど客観性、継続性があるか明らかではない[19]。しかし、どのように基礎統計を用いて国民経済計算を作成するかなどは内閣府によってある程度公開されている[20]。日本はそうでも、北朝鮮は自己申告[21]であるため、真実であるかどうかはわからない。


ダイアン・コイルは「GDP――〈小さくて大きな数字〉の歴史[22]」の中で、問題点を指摘している。まず金融仲介の生産高は金利差を使っているのでリスクの高い投資をすればするほどGDPが増える。また公的部門の計算には費用を使うので、公的部門が肥大するとGDPも増加する。ソフトウェアはGDPが増えない中間原材料とも、GDPが増える投資として考えることもできる。ただし「GDPより良い指標はない」という。
評者の脇田成首都大学教授は、日本の2013年度のGDP統計では、各項目の税収が増えているのにマイナス成長という不思議なことが起こっているという[23]


アンガス・ディートン[24]は、今までの経済成長は物質量ではかられてきたため電子メールなどによる生活水準の向上が過小評価されてきたとする[25]


今井賢一・一橋大名誉教授・米スタンフォード大学教授は「21世紀経済はGDPでは測れない」という。無料のサービスが普及したからだという。例えばスカイプ、ライン、メールなどの普及で郵便や電話によるGDPは減少する。今井は河川、森林、野生生物などの価値が「自然資本」として重要性を持つと述べる[26][27][28][29]


オスカー・モルゲンシュテルン[30]は、GDPの統計誤差は5%以上あったとしている。


2009年、国連は計算基準を見直し、企業の研究開発費、防衛装備費、不動産仲介手数料、特許使用料も加えることとした。そのため日本のGDPは3%程度(約15兆円)増加する見込みである。世界各国は早めに導入済みで、日本では2016年7-9月から導入され、2016年7-9月より前のGDPに対しても、再計算されることになる[31]


タックス・ヘイヴン(オフショア金融センター)にある資金は世界GDPの1/3である推定21兆~32兆ドルといわれ、GDPの計算がどこまで意味があるか不明となっている。



脚注


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  1. ^ ab大和総研 『最新版 入門の入門 経済のしくみ-見る・読む・わかる』 日本実業出版社・第4版、2002年、24頁。


  2. ^ “オランダの売春・麻薬の経済規模、チーズ消費額を上回る”. ロイター (ロイター通信社). (2014年6月26日). http://jp.reuters.com/article/wtOddlyEnoughNews/idJPKBN0F10XQ20140626?rpc=223 2014年7月27日閲覧。 


  3. ^ この節は、クルーグマン『マクロ経済学』東洋経済新報社、2009年、38 - 41ページおよび189 - 190ページを参考にした。


  4. ^ 飯田泰之・雨宮処凛 『脱貧困の経済学』 筑摩書房〈ちくま文庫〉、2012年、32-33頁。


  5. ^ 飯田泰之・雨宮処凛 『脱貧困の経済学』 筑摩書房〈ちくま文庫〉、2012年、83頁。


  6. ^ 松原聡 『日本の経済 (図解雑学シリーズ)』 ナツメ社、2000年、30頁。


  7. ^ 岩田規久男 『日本経済にいま何が起きているのか』 東洋経済新報社、2005年、18頁。


  8. ^ 滞在期間に関しては「外国為替及び外国貿易管理法(外為法)」に関する旧大蔵省の通達「外国為替管理法令の解釈及び運用について」より


  9. ^ スティグリッツ『マクロ経済学』東洋経済新報社、第3版、2007年、90ページ


  10. ^ スティグリッツ『マクロ経済学』東洋経済新報社、第3版、2007年、93ページ


  11. ^ 内閣府の国民経済計算
    1955年~1980年、1980年~2010年、[1]


  12. ^ ab研究 : 安倍新政権の金融政策の経済学的根拠についてChuo Online : YOMIURI ONLINE(読売新聞) 2012年12月20日


  13. ^ A showdown's coming for Japan's economy if at first you don't succeed, lie, lie again CNN Money 1997年10月13日


  14. ^ 「ダイヤモンドZAi」5月号、2011年、170頁。


  15. ^ [2]


  16. ^ [3]


  17. ^ “Download WEO Data: October 2017 Edition”. www.imf.org (2017年10月1日). 2018年10月13日閲覧。


  18. ^ 読売新聞記者


  19. ^ 『GDP 秘密のレシピ」』山内竜介。読売新聞2015年2月12日朝刊「オン オフ」


  20. ^ 内閣府「国民経済計算の作成方法」2015年6月6日閲覧。


  21. ^ “「プラス成長」主張 制裁下の発展アピール”. 毎日新聞 (2018年10月13日). 2018年10月13日閲覧。


  22. ^ 髙橋璃子訳、2015年、みすず書房


  23. ^ 「GDP」日本経済新聞2015年10月25日


  24. ^ プリンストン大学教授、2015年ノーベル賞。「経済学者、未来を語る」小坂恵理訳、NTT出版


  25. ^ 「GDPを問い直す」日本経済新聞2015年12月20日21面


  26. ^ 風知草:GDPでは すくえない=山田孝男毎日新聞 2015年10月19日 東京朝刊


  27. ^ 「ザ・セカンド・マシン・エイジ 」日経BP 2015年7月


  28. ^ 「戦後70年日本の強みは(下)自然資本と宗教に鍵」経済教室 2015年8月7日日本経済新聞 朝刊


  29. ^ 2012年6月17日、国連持続可能な開発会議(リオ+20サミット)で地球環境変化の人間・社会的側面に関する国際研究計画(IHDP)は共同で「Inclusive Wealth Report 2012(IWR: 包括的な 豊かさに関する報告書)」


  30. ^ 「経済観測の科学」、法政大学出版会、1968


  31. ^ 日本のGDPが一気に3%底上げも 国連の計算方法見直し、600兆円挑戦に“朗報”産経新聞2016年5月6日(共同通信)




関連項目







  • 国民経済計算


  • 国の国内総生産順リスト(全ての国・地域対象)

    • 国の国内総生産順リスト (為替レート)

    • 国の国内総生産順リスト (一人当り為替レート)

    • 国の国内総生産順リスト (購買力平価)

    • 国の国内総生産順リスト (一人当り購買力平価)




  • 国の国内総生産の動態(全ての国・地域対象)


  • 域内総生産順リスト(全ての国・地域対象)


  • 国民総生産 (GNP)


  • 国民総所得 (GNI)


  • 国民総幸福量 (GNH)

  • 県民経済計算

  • 日本の年間商品販売額一覧



外部リンク



  • 国内総生産-現在の為替レート換算(兆円) ランキング(国際日本データランキング)

  • 内閣府 長期経済統計 国民経済計算

  • 外国為替市場 :日本銀行 Bank of Japan

  • 図1 実質GDP、為替レート /早わかり グラフでみる長期労働統計|労働政策研究・研修機構(JILPT)




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