HOスケール
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HOスケール (エイチオースケール、エッチオースケール) とは鉄道模型の縮尺と軌間を示す呼称のひとつ、もしくは縮尺模型において縮尺を表す呼称。
目次
1 概要
1.1 鉄道模型
1.2 プラモデル
1.3 スロットカー
1.4 ミニカー
2 歴史
3 関連項目
4 脚注
概要
HOスケールとは縮尺1/87(3.5mmスケール)・軌間16.5mmの鉄道模型、もしくは縮尺模型において縮尺1/87(3.5mmスケール)をさす用語である。HOとはハーフOゲージの略で1/87の縮尺もイギリスのOゲージ規格の縮尺1/43.5(7mmスケール)の半分である。ヨーロッパ大陸のNEM規格では「H0 (エイチゼロ) 」と表記されているがこれは元々Oゲージが0番ゲージと呼ばれていたことに由来するもので実質的にはHOと同じ意味である。
鉄道模型
鉄道模型においては、ヨーロッパ大陸のNEM規格では「H0 (エイチゼロ) 」であり、アメリカのNMRA規格では「HO (エイチオー) 」である。両規格における縮尺・軌間はほぼ同じである。
製品によっては、車両の長さのみ縮尺1/100に短縮・デフォルメさせた、ショートスケール製品が存在する。
また、同じ縮尺1/87を採用するナローゲージ規格も制定されている。
呼称 | 軌間 | 実軌間 | 備考 |
---|---|---|---|
HO (エイチオー) | 16.5mm (16.50 - 17.07mm) | 1435mm | 標準軌 |
HOn3 | 10.5mm (10.49 - 10.77mm) | 914mm | 3フィートゲージ |
HOn2 | 7mm (7.01 - 7.37mm) | 610mm | 2フィートゲージ |
呼称 | 軌間 | 実軌間 | 備考 |
---|---|---|---|
H0 (エイチゼロ) | 16.5mm | 1250mm - 1700mm | 標準軌 |
H0m | 12.0mm | 850mm - 1250mm未満 | メーターゲージ |
H0e | 9.0mm | 650mm - 850mm未満 | 軽便鉄道など |
H0i | 6.5mm | 400mm - 650mm未満 | 鉱山鉄道など |
呼称 | 模型の軌間 | 実物の軌間 | 備考・用例 |
---|---|---|---|
HOゲージ (エイチオーゲージ) | 16.5mm | 1435mm (1372 mm) | 標準軌。新幹線や一部の私鉄など |
HOn3-1/2[3] | 12mm | 1067mm | 3フィート半ゲージ(ケープゲージ)。国鉄在来線や私鉄など |
HOナロー(HOn2-1/2相当)[4] | 9mm | 762mm( - 914mm) | 2フィート半ゲージ。軽便鉄道・鉱山鉄道など |
プラモデル
プラモデルなどのスケールモデルにおいては、鉄道模型のレイアウト・ジオラマ用として、鉄道車両や建物、自動車、貨物、荷物、フィギュア、樹木が製品化されている。ただし、「OO / HO 」や、「HO / OO 」と表記されているプラモデルでは、実際には縮尺1/72 - 1/90のものが含まれている場合もあるため注意が必要である (後述のミニカーも同様) 。
スロットカー
スロットカーにおいては、縮尺1/87以外に、縮尺1/64のものを示す場合がある。1/64用コースの電路 (コース上で電気の流れている部分) の間隔が16.5mmであり、HOスケール鉄道模型での標準軌と同じ幅なのでこのように呼ばれる。
ミニカー
ミニカーにおいては、縮尺1/72 - 1/90程度のものが存在する。Oスケールが縮尺1/43.5 - 1/48であったため、その半分のサイズとされたHOスケールでは縮尺1/87 - 1/96まで許容される場合もある。
縮尺1/87より大きなサイズのものに関しては、前述のプラモデル製品のように、OOスケールや1/72スケールの製品をHOスケールとしても販売するため、表記を意図的に変更する場合がある。また、縮尺1/87の表記があってもHOスケールとされないデフォルメされた製品もある。
歴史
1921年、縮尺1/43.5のOスケール鉄道模型の半分のサイズの製品として、縮尺1/87の鉄道模型がドイツのビングによって製造され、イギリスのバゼットロークから発売された。当初、縮尺1/87は、「O」よりも小さなスケールということで、「OO」と命名され、OOゲージ鉄道模型と呼ばれた。
1922年にはビング独自に縮尺1/87の「ビング卓上鉄道」を発売した。1930年代にはビング卓上鉄道を引き継いだトリックスや、メルクリンなどが参入した。
1934年にトリックスから発売された「トリックス・エクスプレス」がアメリカで展開される際に、それまでの「OO」に代わって「HO」と意図的に別称とされた。アメリカでは「OO」は「縮尺1/76 ・軌間19mmの鉄道模型」として展開されていたため、「縮尺1/87 ・軌間16.5mmの鉄道模型」は別のものとされた。その後、このHO表記を採用するメーカーも現れたため、HOスケール・HOゲージという名称がアメリカを中心に広がった。
Oスケールの半分のサイズとされたため、縮尺1/43.5、縮尺1/45のそれぞれ半分の1/87、1/90のどちらもHOスケールと呼ばれていたが、全米鉄道模型協会ではHOスケールを1/87.1が基準としたため、アメリカの鉄道模型においてはHOスケール=縮尺1/87.1となった。
1960年代までヨーロッパ大陸で製造されたミニカー・模型などにおいては、縮尺1/90でHOスケール表記の製品が残っていたものの、後にヨーロッパでの製造が衰退すると廃れた。
関連項目
NMRA - アメリカの愛好者団体
NEM規格 - ヨーロッパの愛好者団体MOROPが定める規格- MOROP
- HOゲージ
- 1/72スケール
- ミニカー
- スロットカー
- スケールモデル
脚注
^ NMRA S-1.2規格表
^ NEM 010規格表
^ メーカーによりHOj、HOs、HO1067、HO12という呼称が提案されているが、意見の相違もあり日本型1/87・12mmに関する呼称は統一されていない。通称12mmゲージ
^ メーカーによってはHO762、H0eなどの呼称も使われる。