1976年ドイツグランプリ







































































ドイツの旗 1976年ドイツグランプリ
レース詳細

Circuit Nürburgring-1967-Nordschleife.svg
日程
1976年シーズン第10戦
決勝開催日
8月1日
開催地
ニュルブルクリンク
ドイツ ニュルブルク
コース長
22.835km
レース距離
14周 (319.690km)
決勝日天候
雨のち晴れ
ポールポジション
ドライバー

  • イギリスの旗 ジェームス・ハント


タイム
7'06.5
ファステストラップ
ドライバー
南アフリカの旗 ジョディ・シェクター


タイム
7'10.8 (Lap 13)
決勝順位
優勝

  • イギリスの旗 ジェームス・ハント
    1:41'42.7



2位

  • 南アフリカの旗 ジョディ・シェクター



3位

  • ドイツの旗 ヨッヘン・マス




1976年ドイツグランプリXXXVIII Großer Preis von Deutschland)は、1976年のF1世界選手権第10戦として、1976年8月1日にニュルブルクリンクで開催された。
ニュルブルクリンク北コース“ノルドシュライフェ”で開催された最後のF1レースである。




目次






  • 1 予選


    • 1.1 結果




  • 2 決勝


    • 2.1 結果




  • 3 第10戦終了時点でのランキング


  • 4 脚注


  • 5 参考資料


  • 6 関連項目





予選




予選でのニキ・ラウダ





クレイ・レガツォーニ(予選2日目)


2年連続ドイツGPでポールポジションを獲得しているニキ・ラウダが1日目の午前中に7分08秒2を記録。スペインGPから施行されたインダクションポッド規制の影響のため、7分を切った前年のポールタイムから10秒も遅れた[1]。それにジェームス・ハント、クレイ・レガツォーニと続く。午後になってハントが7分06秒5でラウダを抜いて暫定1位となった。


2日目は雨のためどのドライバーもタイムを更新することができず、結局ハントのポールポジションが確定。ラウダは2位。3位にパトリック・デパイユ、4位は地元ドイツのハンス=ヨアヒム・スタック。フェラーリ陣営はラウダのマシンに新しいセッティングを組んで予選に挑む予定だったが、当てが外れた格好となった。チームマネージャーのダニエル・オーデットは決勝当日の朝に全コースを使ったフリー走行の時間を設けるよう依頼したが、嘆願書の提出が遅かったため、予定を変更することはできないとして却下されている[2]



結果





ジョディ・シェクター





ロルフ・シュトメレン





ハンス=ヨアヒム・スタック。ブランビラ車とはロールバーの高さが異なる。




マーチ761をドライブするヴィットリオ・ブランビラ


[3]







































































































































































































































































順位
No
ドライバー
コンストラクター
1回目
2回目
3回目
1
11

イギリスの旗 ジェームス・ハント

マクラーレン・フォード
7'10.3

7'06.5
-
2
1

オーストリアの旗 ニキ・ラウダ

フェラーリ
7'08.2

7'07.4
9'36.8
3
4

フランスの旗 パトリック・デパイユ

ティレル・フォード
7'15.6

7'08.8
8'34.4
4
34

ドイツの旗 ハンス=ヨアヒム・スタック

マーチ・フォード
7'10.1

7'09.1
8'13.1
5
2

スイスの旗 クレイ・レガツォーニ

フェラーリ
7'11.8

7'09.3
8'05.8
6
26

フランスの旗 ジャック・ラフィット

リジェ・マトラ
7'13.6

7'11.3
9'08.2
7
8

ブラジルの旗 カルロス・パーチェ

ブラバム・アルファロメオ
7'18.7

7'12.0
-
8
3

南アフリカの旗 ジョディー・シェクター

ティレル・フォード
7'18.0

7'12.2
9'43.0
9
12

ドイツの旗 ヨッヘン・マス

マクラーレン・フォード
7'15.3

7'13.0
-
10
7

アルゼンチンの旗 カルロス・ロイテマン

ブラバム・アルファロメオ
7'24.9

7'14.9
8'32.4
11
10

スウェーデンの旗 ロニー・ピーターソン

マーチ・フォード
-

7'14.9
7'27.3
12
5

アメリカ合衆国の旗 マリオ・アンドレッティ

ロータス・フォード
7'20.5

7'16.1
8'17.6
13
9

イタリアの旗 ヴィットリオ・ブランビラ

マーチ・フォード

7'17.7
7'23.5
7'47.3
14
19

オーストラリアの旗 アラン・ジョーンズ

サーティース・フォード
7'27.1

7'19.9
-
15
77

ドイツの旗 ロルフ・シュトメレン

ブラバム・アルファロメオ
7'33.5

7'21.6[4]
8'02.3
16
6

スウェーデンの旗 グンナー・ニルソン

ロータス・フォード
7'32.5

7'23.0
9'21.0
17
22

ニュージーランドの旗 クリス・エイモン

エンサイン・フォード
7'35.3

7'23.1
9'06.0
18
16

イギリスの旗 トム・プライス

シャドウ・フォード
7'25.4

7'23.3
8'11.3
19
28

イギリスの旗 ジョン・ワトソン

ペンスキー・フォード
7'34.9

7'23.5
8'19.8
20
30

ブラジルの旗 エマーソン・フィッティパルディ

フィッティパルディ・フォード
7'32.1

7'28.0
12'31.2
21
20

イタリアの旗 アルトゥーロ・メルツァリオ

ウィリアムズ・フォード
7'37.2

7'28.8
-
22
24

オーストリアの旗 ハラルド・アートル

ヘスケス・フォード
7'33.9

7'30.0
17'38.7
23
17

フランスの旗 ジャン=ピエール・ジャリエ

シャドウ・フォード
7'53.9

7'30.9
9'18.1
24
18

アメリカ合衆国の旗 ブレット・ランガー

サーティース・フォード
7'44.6

7'32.7
8'16.8
25
25

イギリスの旗 ガイ・エドワーズ

ヘスケス・フォード
7'47.8

7'38.6
9'59.0
26・
40

イタリアの旗 アレッサンドロ・ペゼンティ=ロッシ

ティレル・フォード
7'59.1

7'48.5
9'39.2
DNQ
33

イタリアの旗 レラ・ロンバルディ

ブラバム・フォード
7'51.4

7'51.1
DNQ
38

フランスの旗 アンリ・ペスカロロ

サーティース・フォード
-

8'04.2
9'09.8


決勝


決勝当日は、前日の雨の影響で路面が濡れていてコースの一部では雨が降り始めていた。ほとんどのマシンはレインタイヤを装着する中、ヨッヘン・マス(マクラーレン)だけはスリックタイヤを履く。スタート後、レガツォーニがトップ、その後にハント。ラウダはホイールスピンを起こしたためスタートが遅れる。その後、路面が乾き始めたため、マス以外のマシンはタイヤ交換のためピットイン。ラウダもピットインするが、タイヤ交換に手間取って後退する。


2周目に入りコース北部のコーナー“ベルグヴェルグ”手前のカーブに差し掛かった時、ラウダのフェラーリが突然挙動を乱し、右に回転しながらフェンスを突き破ってマシン左側面から山肌に激突、炎上しながらコースに弾き飛ばされた。直後を走っていたガイ・エドワーズのヘスケスはかろうじてそれをかわしたが、ブレット・ランガーのサーティースはコース上に止まったフェラーリに正面から突っ込み、さらにハラルド・アートルのヘスケスも巻き込まれた。エドワーズ達3人とあとから加わったアルトゥーロ・メルツァリオによってラウダは救出され、病院に搬送される。この事故の模様は近くにいた少年によって8ミリフィルムで記録されていた[5]


レースは赤旗中断された。クリス・エイモンは事故にショックを受け再レースを棄権[6]。結局このレースがエイモンの最後のF1レースとなる[7]。1時間後にレースは再開され、ハントが終始トップを守って優勝する。2位はジョディー・シェクター、3位にマスが入った。このレース以降、チャンピオン争いの流れはハントに傾いていく。


炎上するマシンの中に45秒間取り残されていた[8]ラウダは、マンハイム大学病院に移され治療を受けた。炎とマシンが炎上した際FRP製の車体から発生したガスを吸ったために肺や血液の機能が低下したため[9]、一時期生命が危ぶまれたが、その後奇跡的に回復し約1ヶ月後のイタリアGPで復帰する事になる。



結果





































































































































































































































































































順位
No
ドライバー
コンストラクタ
周回
タイム/リタイヤ
グリッド
ポイント
1
11

イギリスの旗ジェームス・ハント

マクラーレン・フォード
14
1:41'42.7
1

9
2
3

南アフリカの旗ジョディー・シェクター

ティレル・フォード
14
1:42'10.4
8

6
3
12

ドイツの旗ヨッヘン・マス

マクラーレン・フォード
14
1:42'35.1
9

4
4
8

ブラジルの旗カルロス・パーチェ

ブラバム・アルファロメオ
14
1:42'36.9
7

3
5
6

スウェーデンの旗グンナー・ニルソン

ロータス・フォード
14
1:43'40.0
16

2
6
77

ドイツの旗ロルフ・シュトメレン

ブラバム・アルファロメオ
14
1:44'13.0
15

1
7
28

イギリスの旗 ジョン・ワトソン

ペンスキー・フォード
14
1:44'16.6
19

8
16

イギリスの旗 トム・プライス

シャドウ・フォード
14
1:44'30.9
18

9
2

スイスの旗 クレイ・レガツォーニ

フェラーリ
14
1:45'28.7
5

10
19

オーストラリアの旗 アラン・ジョーンズ

サーティース・フォード
14
1:45'30.0
14

11
17

フランスの旗 ジャン=ピエール・ジャリエ

シャドウ・フォード
14
1:46'34.4
23

12
5

アメリカ合衆国の旗 マリオ・アンドレッティ

ロータス・フォード
14
1:46'40.8
12

13
30

ブラジルの旗 エマーソン・フィッティパルディ

フィッティパルディ・フォード
14
1:47'07.9
20

14
40

イタリアの旗 アレッサンドロ・ペゼンティ=ロッシ

ティレル・フォード
13
1:43'19.8
26

15
25

イギリスの旗 ガイ・エドワーズ

ヘスケス・フォード
13
1:46'55.8
25

Ret
20

イタリアの旗 アルトゥーロ・メルツァリオ

ウィリアムズ・フォード
3
ブレーキ
21

Ret
9

イタリアの旗 ヴィットリオ・ブランビラ

マーチ・フォード
1
アクシデント
13

Ret
4

フランスの旗 パトリック・デパイユ

ティレル・フォード
0
アクシデント
3

Ret
7

アルゼンチンの旗 カルロス・ロイテマン

ブラバム・アルファロメオ
0
フューエルシステム
10

Ret
10

スウェーデンの旗 ロニー・ピーターソン

マーチ・フォード
0
アクシデント
11

Ret
34

ドイツの旗 ハンス=ヨアヒム・スタック

マーチ・フォード
(1)
クラッチ
4

Ret
26

フランスの旗 ジャック・ラフィット

リジェ・マトラ
(1)
ギアボックス
6

Ret
22

ニュージーランドの旗 クリス・エイモン

エンサイン・フォード
(1)
出走取り消し
17

Ret
1

オーストリアの旗 ニキ・ラウダ

フェラーリ
(1)
アクシデント
2

Ret
18

アメリカ合衆国の旗 ブレット・ランガー

サーティース・フォード
(1)
アクシデント
24

Ret
24

ドイツの旗 ハラルド・アートル

ヘスケス・フォード
(1)
アクシデント
22

DNQ
33

イタリアの旗 レラ・ロンバルディ

ブラバム・フォード
-
予選不通過
27

DNQ
38

フランスの旗 アンリ・ペスカロロ

サーティース・フォード
-
予選不通過
28



  • 周回数に () の付いているドライバーは再レースに出走しなかった事を示す。

  • ラップリーダー - ジェームス・ハント (LAP1 - 14)



第10戦終了時点でのランキング









  • :ドライバー、コンストラクター共にトップ5のみ表示。チャンピオンシップには前半8戦中ベスト7戦、後半8戦中ベスト7戦がカウントされる。ポイントはチャンピオンシップにカウントされるポイント、括弧内は総獲得ポイント。


脚注


[ヘルプ]




  1. ^ 『オートスポーツ』 1976年、91頁。


  2. ^ 『オートスポーツ』 1976年、92頁。


  3. ^ 『オートスポーツ』1976年、90頁。


  4. ^ ブラバム・BT44Bフォードで記録。2日目以降はブラバム・BT45に乗り換える。


  5. ^ アラン・ヘンリー著、森岡茂憲訳 『ニキ・ラウダ/不屈のチャンピオン』 ソニー・マガジンズ、1991年、71頁。


  6. ^ 『オートスポーツ』 1976年、96頁。


  7. ^ カナダGPにエントリーするが予選落ち。


  8. ^ 『F1 RACING』 2010年8月情報号、三栄書房、86頁。


  9. ^ 『Racing On』 455 [特集] ニキ・ラウダ、2011年、59頁。




参考資料



  • 『オートスポーツ』 三栄書房、1976年10月1日号、90 - 95頁。

  • “The Official Formula 1 website”. 2011年11月23日閲覧。



関連項目







  • 1976年のF1世界選手権


  • ラウダ航空004便墜落事故 - 1991年、ニキ・ラウダが現役引退後に立ち上げた航空会社で発生した事故。ラウダが本レースの大事故で生死を彷徨ったことが彼を事故原因の究明に奔走させた。













前戦
1976年イギリスグランプリ
FIA F1世界選手権
1976年シーズン
次戦
1976年オーストリアグランプリ
前回開催
1975年ドイツグランプリ

ドイツの旗ドイツグランプリ
次回開催
1977年ドイツグランプリ








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