奈良康明
奈良 康明(なら やすあき、1929年12月2日 - 2017年12月10日)は、日本の仏教学者、曹洞宗の僧侶。駒澤大学総長、名誉教授、文学博士(東京大学)。法清寺東堂、永平寺西堂。
特に、日本におけるインド宗教および仏教研究を文化史的視点から幅広く明らかにした。
目次
1 来歴
2 家族
3 受賞歴
4 著書
4.1 共編著
4.2 辞書
4.3 論文
5 出典
6 外部リンク
来歴
千葉県生まれ。開成中学校を経て、1953年東京大学文学部印度哲学梵文学科卒業。1956年東京大学大学院人文科学研究科(現東京大学大学院人文社会系研究科)インド哲学専攻修士課程修了、インド・カルカッタ大学大学院人文科学研究科(比較言語学科)博士課程修了(インド宗教文化史専攻)。1973年「古代インド仏教における宗教的表層と基層の研究」で東京大学より博士号を授与される(指導教官:中村元)。
1960年、駒澤大学仏教学部非常勤講師として着任。講師、助教授を経て、教授に就任。1994年学長、2005年総長。のち名誉教授。アルボムッレ・スマナサーラ長老が駒澤大学に在学中の指導教授をつとめた。
2000年、曹洞宗総合研究センター所長。2012年5月6日より、永平寺西堂となる。1992年以来東京都台東区の法清寺で毎月2回ほど、檀家向けの講義を行う。
公益財団法人・中村元東方研究所常務理事、一般財団法人・仏教学術振興会理事長、大蔵経データベース化支援募金会事務局長を歴任。インド仏教学の泰斗として知られ、『釈尊との対話』や『仏教と人間』など著書多数。
2017年12月10日午後1時30分、肝臓癌のため東京都台東区下谷の自宅で逝去[1]。89歳没[2]。
家族
弟に弁護士の奈良道博、長男に奈良修一[3]。
受賞歴
- 東方学術賞
1993年、曹洞宗特別奨励賞
2008年、瑞宝中綬章[4]
2009年、仏教伝道文化賞
著書
- 『婆羅門の像』、人物往来社、1962年
- 『仏教史 1 インド・東南アジア』(世界宗教史叢書 7)』、山川出版社、1980年、ISBN: 978-4634430709
- 『人類の知的遺産53 ラーマクリシュナ』、講談社、1983年
- 『仏弟子と信徒の物語 アヴァダーナ』、筑摩書房、1988年
- 『釈迦とその弟子たち』、日本放送出版協会、1987年、NHK市民大学
- 『釈尊との対話』、日本放送出版協会、1988年、NHKブックス
- 『修証義私釈』、新塔社、1990年
- 『仏教と人間 主体的アプローチ』、東京書籍、1993年
- 『まん中が中道か』、佼成出版社、1995年
- 『生きていく』、NTT出版、1995年
- 『観音経講義』、東京書籍、1997年
- 『原始仏典の世界』、日本放送出版協会、1998年、NHKライブラリー
- 『般若心経講義』、東京書籍、1998年
- 『祈りのブッダ 救いのことばと癒しのかたち』、日本放送出版協会、1999年
- 『ブッダの詩(ことば) 知恵と慈悲のかたち』、日本放送出版協会「生活人新書」、2009年
- 『自己をわすれる 生き方としての仏教』、東京書籍、2011年
- 『ブッダ 最後の旅をたどる』、大法輪閣、2012年
- 『説戒 永平寺西堂老師が語る仏教徒の心得』、大法輪閣、2018年
- 『〈文化〉としてのインド仏教史』、大正大学出版会、2018年
共編著
- 『生活の世界歴史5 インドの顔』、辛島昇共著、河出書房新社、1975年、河出文庫、1991年
- 『釈尊の人と思想』、増谷文雄、中村元共編、日本放送出版協会、1975年
- 『釈尊のことば』、増谷文雄共著、日本放送出版協会、1976年、放送ライブラリー
- 『経典にきく』、武藤義一共編、日本放送出版協会、1977年、放送ライブラリー
- 『仏教のことば』、日本放送出版協会、1978年、放送ライブラリー
- 『ブッダの世界』、中村元監修、佐藤良純共著、学習研究社、1980年
- 『日本人の仏教』、東京書籍、1983年
- 『仏教の心を語る』、中村元対談、東京書籍、1990年
- 『仏教の道を語る』、中村元対談、東京書籍、1997年
- 『道元の二十一世紀』、東隆眞共編著、東京書籍、2001年
- 『道元の世界 現代に問いかける禅』、日本放送出版協会、2001年
- 『禅の世界』、沖本克己共著、東京書籍、2007年
- 『禅といま』、佐々木宏幹共編、道元フォーラム推進委員会、2008年
- 『なぜいま「仏教」なのか 現代仏教のゆくえ』、山崎龍明共著、春秋社、2009年
- 『新アジア仏教史01 仏教出現の背景インドⅠ』、下田正弘ほか共著、佼成出版社、2010年
- ※編集委員代表。シリーズ全15巻でインド篇は1-4巻
辞書
- 『仏教名言辞典』、東京書籍、1989年
- 『日本の仏教を知る事典』、東京書籍、1994年
論文
- CiNii>奈良康明
- INBUDS>奈良康明
出典
^ 朝日新聞2017年12月13日朝刊、読売新聞2017年12月14日朝刊
^ 本葬の時配られた略歴には「世寿89歳」とあるが、これは数え年で、曹洞宗では数え年を使う習慣による。なお、新聞報道は、満年齢で「88歳」としている。
^ 訃報 2017年12月15日付~中外日報
^ 春の叙勲・褒章 2008.5~日本私立大学協会
外部リンク
- 仏教伝道協会>座談会「仏教伝道文化賞・功労賞、両受賞者に聞く~世界に弘がる仏教のこころ~」
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