流造
流造(ながれづくり)は、日本の神社建築様式の1つである。
目次
1 概要
2 構造
2.1 屋根
2.2 柱
2.3 床
3 流造の歴史
4 脚注
概要
賀茂別雷神社(上賀茂神社)、賀茂御祖神社(下鴨神社)に代表される流造は、伊勢神宮に代表される神明造から発展し、屋根が反り、屋根が前に曲線形に長く伸びて向拝(こうはい、庇)となったもの。全国で最も多い神社本殿形式である。
構造
流造の構造は、切妻造・平入であるが、側面から見た屋根形状は対称形ではなく、正面側の屋根を長く伸ばす。屋根には大社造同様の優美な曲線が与えられる。この点で直線的な外観の神明造と異なる。
屋根
神明造と異なり、茅葺に限らず杮葺、檜皮葺、銅板葺など幅広い。
側面の破風は懸魚などで装飾され、優美な曲線を描く。
屋根の勾配はきつくなく、前面に長く流れるように伸びる蓑甲(みのこう)から向拝にかけての曲線を強調する。
柱
身舎(もや)の柱は丸柱、向拝は角柱とする。
桁行(正面)の柱間が1間(柱が2本)であれば一間社流造、3間(柱が4本)であれば三間社流造という。
床
土台の高さに浜床、階段上に母屋床をはる。
流造の歴史
神明造の発展型であることから歴史は浅く、現存する最古のものは宇治上神社本殿で、平安時代後期の建築である。
なお2008年(平成20年)には、金貝遺跡(滋賀県東近江市)において8世紀後半-9世紀前半の掘立柱の三間社流造の本殿跡遺構が見つかっており、国内最古級の例として注目される[1]。
脚注
^ 「金貝遺跡」 (PDF) (東近江市ホームページ)。