セロリ
セロリ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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セロリの花 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
分類(APG III) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Apium graveolens L. var. dulce (Mill.) DC. (1830)[1] | |||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
オランダミツバ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
celery |
100 gあたりの栄養価 | |
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エネルギー | 67 kJ (16 kcal) |
炭水化物 | 2.97 g |
糖類 | 1.83 g |
食物繊維 | 1.6 g |
脂肪 | 0.17 g |
飽和脂肪酸 | 0.042 g |
一価不飽和 | 0.032 g |
多価不飽和 | 0.079 g |
タンパク質 | 0.69 g |
トリプトファン | 0.009 g |
トレオニン | 0.02 g |
イソロイシン | 0.021 g |
ロイシン | 0.032 g |
リシン | 0.027 g |
メチオニン | 0.005 g |
シスチン | 0.004 g |
フェニルアラニン | 0.02 g |
チロシン | 0.009 g |
バリン | 0.027 g |
アルギニン | 0.02 g |
ヒスチジン | 0.012 g |
アラニン | 0.023 g |
アスパラギン酸 | 0.117 g |
グルタミン酸 | 0.09 g |
グリシン | 0.021 g |
プロリン | 0.018 g |
セリン | 0.02 g |
ビタミン | |
ビタミンA相当量 β-カロテン ルテインと ゼアキサンチン | (3%) 22 μg(3%) 270 μg283 μg |
チアミン (B1) | (2%) 0.021 mg |
リボフラビン (B2) | (5%) 0.057 mg |
ナイアシン (B3) | (2%) 0.32 mg |
パントテン酸 (B5) | (5%) 0.246 mg |
ビタミンB6 | (6%) 0.074 mg |
葉酸 (B9) | (9%) 36 μg |
ビタミンB12 | (0%) 0 μg |
コリン | (1%) 6.1 mg |
ビタミンC | (4%) 3.1 mg |
ビタミンD | (0%) 0 IU |
ビタミンE | (2%) 0.27 mg |
ビタミンK | (28%) 29.3 μg |
ミネラル | |
ナトリウム | (5%) 80 mg |
カリウム | (6%) 260 mg |
カルシウム | (4%) 40 mg |
マグネシウム | (3%) 11 mg |
リン | (3%) 24 mg |
鉄分 | (2%) 0.2 mg |
亜鉛 | (1%) 0.13 mg |
マンガン | (5%) 0.103 mg |
セレン | (1%) 0.4 μg |
他の成分 | |
水分 | 95.43 g |
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%はアメリカ合衆国における 成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。 出典: USDA栄養データベース(英語) |
セロリ(英: celery、学名: Apium graveolens var. dulce)は、セリ科の植物。
目次
1 概要
2 特徴
3 歴史
4 利用
4.1 食用
4.2 薬用
4.3 抗癌作用を主張する研究
4.4 その他
5 生産
5.1 生産国
6 脚注
7 参考文献
8 外部リンク
概要
イギリスを含むヨーロッパの原産といわれ、改良品種が栽培されている1–2年草[2]。
別名をオランダミツバといい、清正人参(きよまさにんじん)、セルリー、セレリィ、塘蒿ともよばれる。パセリを意味するギリシャ語のセリノンからイタリア語のセルラロの複数形であるセルラリとなり、フランス語のセルリが生まれて転訛し、英語名でセロリになったといわれる[2]。
コーネル、トールユタなどの品種がある。中国で改良されたキンサイ(芹菜、英: Chinese celery)は、広東セロリ(カントンセロリ)やスープセロリとも呼ばれる。葉、茎、根、実、ほぼ全ての部分を食用にでき、独特の強い香りがある。セロリアック、セルリアックなどの名称で呼ばれる根菜は同種の別変種。
特徴
色は緑、淡緑、黄白などで淡色野菜に分類される。品種が色によって黄色種、緑色種、中間種に大別される。茎の高さは約30–75 cm。6–9月ころ、白い小花を球状に咲かせ、全体にフタリド類(英)とテルペン類化合物に由来する独特な芳香を持つ[2]。β-カロテン、ビタミンB1・ビタミンB2などのビタミン類、カルシウム、鉄などのミネラル、食物繊維を多く含む[3]。
歴史
ヨーロッパ・中近東の広い地域にわたる冷涼な高地の湿原が原産といわれる。古代ローマ・ギリシャ時代(紀元前8世紀)から男性の強精薬として知られ[2]、食用にせず整腸剤、強壮剤、香料として珍重されたほか、ミイラの首飾りや、古代ギリシャのお祭りに飾られた[3]。1世紀ころの文献『ディオスコリデスの薬物誌』には、「栽培種のアピウム(セロリ)の葉は、コエンドロと同じ薬効を持つ」とあり、目の炎症の外用薬にしたり、生食して胸焼け、乳房の腫れ、利尿に効能があるとしている[4]。
食用に使われるようになったのは17世紀に入ってから。
- 日本
加藤清正が文禄・慶長の役の際に日本に持ち帰ったという説がある。そののち、1800年頃にオランダ船により運ばれたが、独特の強い香りのために普及しなかった。盛んに栽培されるようになったのは戦後、食生活が洋風化していってからのことである。
利用
食用
野菜としてのセロリは独特の香りとシャキッとした歯触りが特徴で、茎・葉は生食されるが、その他にも漬物、佃煮、スープ、シチューなど肉料理の香味野菜として使用される[5]。キンサイは炒め物にもよく使われる。部位別では、葉が佃煮、天ぷら、スープなどに、また茎はサラダ、炒め物、煮込み料理、漬物など様々な料理に幅広く利用される[5]。
香りの強い成分はアピオールで、肉やレバーなどの臭みを消す揮発性成分が含まれる[5]。また、芳香は精油のセダノライドによるものともいわれ、口内の味覚神経を刺激して唾液や胃液の分泌を促し、食欲を増進させるといわれている[4]。スープや煮込み料理の香味付けに使われるブーケガルニは、香りの束を意味し、香りの強い葉の部分が使われている[5]。
搾油のほか、実は乾燥させて香辛料、薬用としても使用される。セロリの種から製した香辛料は「セロリシード」と呼ばれ、ピクルスやスープなどに用いられる[6]。このセロリシードの粉末と食塩とを混ぜたものを「セロリソルト」と呼び、やはり香辛料として用いられる[6]。
薬用
薬用部位は茎葉にあり、精油、ブチルフィサリド、ネオセリディライド、フラボノイドなどの成分が含まれている[4]。
胃潰瘍の予防と緩和、神経系を調える作用があり、漢方では、利尿、浄血、血圧を下げる、鎮静、けいれんを治めるなどの作用が認められている[3]。
中国では早芹(カンキン)とよんでおり、中医学で茎葉の場合1日10–15 gの煎じ液または、生食なら1日30–60 gを高血圧症、めまい、頭痛、顔面紅潮、眼の充血、血尿などに応用しており、フラボノイドのアピインの効果を活用していると考えられている[4]。
セロリに多く含まれるビタミンUは、蛋白質をつくるために必要な核酸を生み出すビタミンで、胃や十二指腸の粘膜の修復を助ける効果がある[3]。また、同様に多く含まれるビタミンB1・B2は、エネルギーの代謝をよくして神経症の正常な働きを維持する働きがある[3]。
セロリの葉を天日干ししたものや、野菜くずの葉を布袋に入れて入浴料として用いることによって体を温める効能もあり、精油が湯に溶けて肌を軽く刺激し、血液循環を良くして冷え性や肩こり、疲労回復に効能があるといわれている[5][4]。
抗癌作用を主張する研究
かつて、デザイナーフーズ計画のピラミッドの1群に属し、癌予防効果のある食材の第4位として位置づけられていた[7]。
その他
種を炒ったものや、種から搾取した油も食べられるが、この油は子宮を刺激する作用を持ち、流産や早産の危険性があるので、妊婦が油を大量に摂取することは避けるべきである。
また、蒔種用に栽培するものは食べることを想定せずに農薬を使用していることが多いので食用は避ける。
保存状態の悪いセロリはDNAや組織を傷つけるソラレンという化合物が生成され、過敏な人は皮膚接触で水疱性の炎症を引き起こすことがある[8]。
生産
現在[いつ?]、日本で食用として栽培されている物のほとんどは、アメリカで作られた品種を元にしているが、キンサイの栽培も行われている。日本に輸入される割合は、アメリカ産のものが一番多い。また、輸入品の場合検疫の関係で葉より上部の部分は全て切り落とされ、茎より下の部分のみであるため、国産品と輸入品の見分けが付きやすい。
生産国
- 日本(黄色種・中間種)
静岡県・愛知県・北海道・長野県
- アメリカ (緑色種)
- 中国(緑色種)
脚注
^ "'Apium graveolens var. dulce (Mill.) DC.". Tropicos. Missouri Botanical Garden. Retrieved 2012年7月29日..mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit}.mw-parser-output .citation q{quotes:"""""""'""'"}.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/65/Lock-green.svg/9px-Lock-green.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg/9px-Lock-gray-alt-2.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/a/aa/Lock-red-alt-2.svg/9px-Lock-red-alt-2.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .cs1-subscription,.mw-parser-output .cs1-registration{color:#555}.mw-parser-output .cs1-subscription span,.mw-parser-output .cs1-registration span{border-bottom:1px dotted;cursor:help}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/4c/Wikisource-logo.svg/12px-Wikisource-logo.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output code.cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:inherit;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;font-size:100%}.mw-parser-output .cs1-visible-error{font-size:100%}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#33aa33;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-subscription,.mw-parser-output .cs1-registration,.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left,.mw-parser-output .cs1-kern-wl-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right,.mw-parser-output .cs1-kern-wl-right{padding-right:0.2em}
- ^ abcd田中孝治 1995, p. 188.
- ^ abcde小池すみこ 1998, p. 86.
- ^ abcde田中孝治 1995, p. 189.
- ^ abcde小池すみこ 1998, p. 87.
- ^ ab『大辞林』 松村明編、三省堂、2006年、第3版、1415頁。
ISBN 978-4-385-13905-0。
^ がん予防と食品、大澤 俊彦、日本食生活学会誌、Vol.20 (2009) No.1
^ Harold McGee 香西みどり訳『マギー キッチンサイエンス』2008年、共立出版 pp. 252-253,304-305
参考文献
小池すみこ 『体に効く野菜』 法研、1998年4月23日、86-87頁。ISBN 4-87954-228-8。
田中孝治 『効きめと使い方がひと目でわかる 薬草健康法』 講談社〈ベストライフ〉、1995年2月15日、188-189頁。ISBN 4-06-195372-9。
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、広義のセロリに関するカテゴリがあります。
ウィキスピーシーズには、広義のセロリに関する情報があります。
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